インターンシップ
私は大学生真っ盛りの三年生である。しかし、大学に友達はほぼいない。何故だか分からないのだが、本当にいない。この「原因が分からない」ことが一番厄介な気がする。以前はいくつかサークルに入ってはいたが、集団行動があまりにも苦手で、今は何のコミュニティにも属していない状態である。大学の中に居て、何故私はいつも一人なのだろうか…と時々考えてしまうが、無闇に周りに合わせることをやめた結果であるので、所謂社会不適合者と言う他無いのだと思う。
ただし運のいいことに、同じ高校の友達は多数、進学に伴い上京してきていて、皆んなが私を構ってくれるので、なんだかんだでバイトと加えて楽しい夏休みを送ることが出来ている。感謝感激。
そんな大学三年生の私は、そろそろ就職活動を見据えて行動している。多数の企業が行なっているインターン・シップというやつに参加してみたいのだ。書類選考はほぼ通り、あとは面接を受けるところなのだが、これが最も厄介である。
なぜなら、就活は虚構との闘いだからだ。
自分に嘘をつき、相手に嘘をつき、いかに自らを大きく見せるかを考えること。就活の面接は、これに尽きると私は感じている。
まず、話し方から。
私は、ハキハキ喋る方では無い。声もそこまで大きく無い。しかし、声を大きく、ハキハキと喋るのが就活では欠かせないし、社会人になるための第一歩でもある。
ここがもう既に1つ目の嘘になる。
それから、話す内容、つまり自分の経歴である。
就活では自らの経歴を盛って話す。自らの持っている1をいかに10にするかを考えるのだ。足す9の部分は嘘でもハッタリでも構わない。それを見抜かれない技術と会話力でカバーすることが重要である。
こんなことを繰り返していると、自分がなんのために社会人になるのかが見えなくなってくる。大人になるとはこういうことだったのかしら、と思い、大きな大きな壁にぶち当たっている。壁にぶち当たって強くなるというより、嘘を重ねて強くなると言った方が、就活では正しい表現なのかも知れない。こういう風に考えてしまう私は、(甘えていると言われること覚悟で言うが、)就活に向いて居ないし、きっと多くの就活生も、これらの事実に気づきながら見て見ぬ振りをしているのだろう。
自分がどのような社会人になりたいか、周りと環境に忙殺される前に、真摯に考えたいと思った。